愛知ちくさ正文館書店

台湾の歴史と文化六つの時代が織りなす「美麗島」

大東和重

中公新書


 日本統治期の末期、1941年3月10日第一次国立公園シリーズ切手「大屯国立公園」「新高阿里山」「次高・タロコ」の8種が発行されている。ちなみに1936年の第一回発行は「富士箱根」で時局を反映し、すべてに富士山がデザインされている。私が小学4年の1961年頃切手の大ブームがあり、夢中で集めた中で、格別国立公園シリーズを気に入りすべて入手した。切手カタログを読み込み、気になったことがあった。新高山(にいたかやま)(玉山)の標高が富士山より高い3997メートルもあったことだ。発行が戦中のことといえ理由を知りたくて、大人に問うてみたが、納得のゆく答えはなかった。もっとも最新の高校日本史教科書には日清戦争後の三国干渉の結果の統治としか記載されていない。台湾に再び興味を持ったのは、台湾ニューシネマの侯孝賢の登場で、文学よりも早かった。当時、時代背景を知らずとも圧倒された。戒厳令解除前の台湾文学史を学び直したい。


書影
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10月15日 ─ 11月3日ちくさ正文館書店

画像。店内の様子

JR中央線・地下鉄東山線の千種駅より東へ徒歩3分。1961年創業時に、雑誌は『世界』しか置いてなかったと伝え聞くほど、徹底して人文書・文芸書(エンターテイメント外)の専門店としてスタートしました。2020年6月、20年ぶりに大リニューアルを実施。ターミナル店を統合して学習参考書・コミック・文具なども加わりました。近年は当店での芸術書の重要度がますます大きくなり、時代の変化の先を棚に生かすべく、店全体の構成の見直しをつづけています。


  • ちくさ正文館書店
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