長野本と茶 NABO

馬馬虎虎(マーマーフーフー)vol.1 気づけば台湾

檀上 遼 発行・編集・デザイン・写真・文


 日本人と台湾人のハーフである著者、檀上遼が、2012年から13年の1年間、語学留学のため滞在した台湾で感じ考えたことをまとめた本。書かれていることはその1年間のことだけにとどまらず、幼い頃訪れた中国の思い出や、実家に漂う日本と台湾ふたつの文化のことなど著者自身の体験のなかにある中華圏のことにも視点がめぐる。
 台湾大学の様子、夜市でのこと、不思議なマクドナルド、台湾のサウナ、ひとつひとつのエピソードの内容が非常に濃いので飽きることなく読み切れるし、「一人暮らし用の物件でキッチン付きというのは非常に少ない」ということや、ゴミ出しのルールなど、旅行者ではなく滞在者でないと見えてこない台湾の姿もたくさん盛り込まれていて楽しい。
 ただ目で見たものを書いて「おもしろいな〜」で済ませることはせず、ものごとの背後にどのような歴史・文化があるのかもきちんと調べて書いてくれているので、「何となく」台湾が好き、という気持ちから一歩先に進みたいひとにとてもおすすめの1冊です。


書影
こちらもおススメ!
悲情城市の人びと──台湾と日本のうた
田村志津枝(晶文社)
ハワイ、蘭嶼
管 啓次郎(左右社)

10月15日 ─ 11月末本と茶 NABO

画像。店内の様子

長野県上田市を拠点にするオンライン古書店「バリューブックス」の実店舗、NABO(ネイボ)。新刊・古本・リトルプレスが8000冊並ぶほか、フルリーフの茶葉を扱う「chairo」のお茶と茶葉の販売、「cafe ffee-co」のマフィンの販売もしています。お茶を飲んだり、本を読んだりしながら過ごしていただけたらうれしいです。


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