鳥取汽水空港

ゲリラ建築謝英俊、四川大地震の被災地で家を建てる

廖惟宇 著/串山 大 訳

みすず書房


 台湾の建築家、謝英俊。彼は幾つもの被災地で、現地に暮らす住人たちと共に家を建てる。そこに建築の新しい可能性があるからだ。被災という緊急を要する事態が家を必要とさせ、そして農村には自然(資材)がある。現地に暮らす農民たちは技術を有している。この3つの要素が建築家としての彼のアイデア、「協働セルフビルド」を可能にする。
 家を商品として購入するのではなく、お互いの知恵と協働によって建設する。さらに建設に伴い高められた住人の建築技術は、その後、住人自身が趣味趣向を家に反映することに役立つ。「家」や「住まうということ」自体が商品化されてしまった現代において、彼のしていることは建築を通じた社会変革と野生の知恵の獲得として捉えることもできる。
 地震、水害が多発し、今は経済的困窮に加え、コロナもある。日本ではまだあまり知られていない、謝英俊氏の困難から知恵と技術を生み出す活動に学ぶ点が大いにあるはずだ。


書影
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11月1日 ─ 11月30日汽水空港

画像。

鳥取中部、東郷湖沿いにあるセルフビルドでつくった本屋です。店から車で5分程離れた場所にある畑を「汽水空港ターミナル2(食える公園)」と名付け、実りを万人に開放しています。片足は文化に、もう片方は土に置き、汽水域から新たな世界の像の出現を日々目論んでいます。乗務員はモリテツヤとモリアキナの二人。時々友人の犬(おとうさんという名の秋田犬)を預かって店内に転がしています。


  • 汽水空港
  • 〒689-0711
  • 鳥取県東伯郡湯梨浜町松崎434-18
  • 営業時間 13:00-19:00 水・木曜休